7月13日(金)神戸新聞 朝刊 に記事が掲載されました!
<記事内容>
交通事故などをきっかけに頭痛が続く脳脊髄液漏出症に対し、液が漏れる穴をふさぐ治療法「ブラッドパッチ」について、近畿厚生局は、一部費用が公的医療保険の適用となる「先進医療」として実施できるよう、明舞中央病院(兵庫県明石市松が丘)から出されていた申請を受理した。7月から入院費などの患者負担が軽減されている。全国では日本医科大付属病院(東京都文京区)などが認められているが、兵庫県内では初めて。(金井恒幸)
転倒や衝撃で脳や脊髄を覆う硬膜に穴が開き、髄液が漏れて頭痛や目まいを起こす脳脊髄液減少症の一種で、日本脳神経外科学会など関係学会の画像診断基準を満たす症例に限られる。減少症は全国で年間約1万人が新たに発症するとされるが、漏出症と認められるのはそのうちの1~2割程度とみられる。
【負担を軽減】
ブラッドパッチは、損傷した硬膜の外側に自分の血液を注入し、かさぶたのようにふたをして漏れを止める手法。明舞中央病院脳神経外科の中川紀充部長は、9年ほど前から導入している。脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する厚生労働省研究班のメンバーも務め、患者の負担を軽減するため今年6月、先進医療を申請した。
中川部長によると、同病院では従来、退院までに20万円程度の費用が必要だった。先進医療では、約1万8千円の治療費は患者負担だが、入院費などが保険適用され、負担総額は平均10万円以下になるとみられる。中川部長は「一部でも保険が適用されたことで、万が一、入院治療が長引いた場合でも、安心して治療を受け続けてもらえるのではないか」とその利点を挙げる。
県内では同病院のほか、関西労災病院(尼崎市稲葉荘)もブラッドパッチを先進医療として実施できるよう、申請する方向で検討中という。
【施設の拡大を】
ブラッドパッチの先進医療化や保険適用を求めてきた「脳脊髄液減少症患者支援の会」の古市利明兵庫県代表は「待ち望んでいたことなので、本当にうれしい」と歓迎。既に県立などの公立病院にも先進医療として実施するよう要望し、「先進医療化を待って治療を受けたいという患者さんもいる。できるだけ多くの医療機関が申請してほしい。また、脳脊髄液減少症全体にも適用が広がってほしい」と話す。
一方、ブラッドパッチの実施機関などをホームページで公表している県健康局の担当者は「先進医療が認められた医療機関が分かるよう、ホームページの変更などを検討したい。相談に対応している各地の県健康福祉事務所にも知らせたい」とする。
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脳脊髄液漏出症の治療法 兵庫でも一部保険適用*************************
<先進医療が承認された病院一覧>
新潟県 新潟市民病院 7月13日
東京都 日本医科大学付属病院 7月13日
愛知県 社会保険中京病院 7月13日
兵庫県 医療法人明仁会 明舞中央病院 7月13日
広島県 独立行政法人国立病院機構 福山医療センター 7月13日
福岡県 社会医療法人 製鉄記念八幡病院 7月13日
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先進医療を実施している医療機関の一覧*************************